ご縁があって、デニムを織る工場を見学する機会がありました。
まず、入ることができない場所なので、皆さんにも雰囲気を伝えたいと思い、写真・動画の撮影をお願いしました。快く許可をいただいたので、ここでご紹介します。
セルビッジデニムを織る機械を中心に撮影しました。
それでは、ご覧ください。
古い力織機
織り機がずら~っと並ぶ工場。
動いているのは一部の機械でした。すごく古い機械なので、壊れてもすぐに直らないそうです。部品がないんでしょうね。
休止中の機械。
まず、動画を見ていただきましょう。この後続く写真のイメージがつかみやすくなると思うので。
動力が複雑な動きに変換されていきます。一部のちょっとした不具合で織りあがりが変わってきそうです。(私、素人が想像するに)
調整が大変でしょうね。
力織機の複雑な動き
きれいに並べられているタテ糸。耳部分の白い糸もセッティングされています。
上下に分かれたタテ糸の隙間を、ヨコ糸が巻かれたシャトルがぶっ飛んでいます。実際は目でとらえられないほどのスピードで移動していますが、たまたま写真に収まりました。
かなり狭い隙間を通っていますね。これには驚きました。よく”タテ糸を限界までたるませて織った生地”なんてフレーズを聞きますが、タテ糸にシャトルが引っかかる様子を思い浮かべると、恐怖を感じます。飛び出したシャトルが職人さんの頭に当たったら・・・。
織れたそばから巻かれています。
ヨコ糸が巻かれる筒状の木。
ヨコ糸が巻かれた状態。
これがシャトルにセットされるわけです。
ヨコ糸が少なくなったら、自動で下に落ちる仕組みになっていました。
ここは、タテ糸を上下させる部分。
針金のようなものに輪っかが見えますね。ここにタテ糸が1本1本通っているわけです。全ての糸を通す作業・労力を想像すると気が遠くなります。
タテ糸を上下させる動き。
このような物が、工場の壁にずら~っと並んでいたんですが、何かわかりますか?
聞いてみたら、ヨコ糸を押し込むためのモノでした。シャトルが運んだヨコ糸を、上下に開いたタテ糸の隙間に押し込む。
よく見ると、スリットが入っています。この間にタテ糸が通ることになりますね。
ずら~っとたくさんの種類があったのは、タテ糸の種類などに応じて使い分けるため、だそうです。例えば、太い糸の場合は、スリットの幅も広いものを使う。という感じでしょうか。
これで、ヨコ糸を押し込んでいくわけです。
以上が工場の様子です。
最後に
今回は、織り機の様子を中心に撮影しました。
本当は、職人さんの様子も取材したかったんですが、邪魔になるので遠慮しました。
(薄暗い工場内では、撮影でフラッシュがたかれてしまいますし・・・。)
一人で何台もの織り機を見ているようで、絶えず機械を回っていました。
古い機械をなんとか動かし、手間暇かけて織りあげられる生地。
こんなデニムを身にまとえる私たちは、本当に幸せですね。
現場を見て、一層、感謝の気持ちが湧いてきました。
最後になりましたが、見学を許可していただいた工場さま、取材をセッティングしてくれたSさん、Sさん。貴重な機会をありがとうございました。
denimbaの読者の皆さんにも、楽しんでいただけたと思います。
ありがとうございました!
頼りになるお二人です。
参照
今回の見学は、Double Volante(ダブルボランチ)さんと一緒でした。
ダブルボランチさんもこの時の様子をブログにしているので、見てみてください。
日本のジーンズを支える人達