岡山に行ってようやく選んできた7種類の生地。
これらを眺めつつもな~んかモヤモヤ感がありました。心に引っかかるというか・・・。
その原因は、頭の隅に追いやっていた「オリジナルの生地が作れたらな~」という想い。
でも、個人でメーカーみたいにお金はかけられないし・・・、なんて理由をつけて自分を納得させていました。
ところが本質は、お金の問題ではなく、自分自身の問題でした。
生地は、思いつきで口出しできるような簡単なものじゃないよ。
知り合いに、主にナイロン生地を使って物作りをしている人がいます。(私が勝手に師匠と仰いでいます。)
バック、ポーチなどの小物から、人の命を預かるシビアな製品まで作っています。
その人に「今、生地を選んでて・・・」と相談して言われた言葉があります。
生地は深いよ。
思いつきで口出しできるような簡単なものじゃないよ。いろんな要素が複雑に絡まり合ってできているからね。
どこかをいじると、どこかがおかしくなって、そこをいじると他がおかしくなる。
君みたいな素人が考える様な事はすべて試していて、完全にバランスのとれた物が、サンプルとして並んでるんだよ。
この話を聞いて、思い当たる節が。
岡山の生地やさんに行ってスタッフさんに質問している時に、私はこんな事を言いました。
「縦糸の~が~で、ヨコ糸の~が~で、打ち込みが~な生地ってありますか?」
素人が糸がどうのなんて、生意気な事を言っています。(今思うと恥ずかしい・・・)
するとスタッフさんが「ありますけど・・・。見ますか~・・・?」と。
私が「はい、お願いします。」というと、わざわざ裏から出してくれました。
「こんなんですけど・・・」と言って見せられた生地は、なんとも味気ないもので、
自分のジーンズにこれはないな、とひと目で判断できるような・・・。
私がいいだろうな~と考えていたものは、まったくダメでした。
今の自分にできる事
師匠が言いたかったのは、「君の知識は十分なのか?勉強が必要だろ」という事だと思います。
確かに私の知識は、雑誌やネットで目にしただけの表面的な知識。
それで知った気になるのは、もの作りにおいて危険なのかもしれません。
師匠の言葉で吹っ切れました。
今の自分にできる事は、手元にある7種類の生地から最善のものを選ぶ事。
ただし”選ぶ”ことに関しては妥協しません。
その過程で生地について勉強していこうと思います。
いつか、生地屋さんと対等にやりあって、自分にとっての最高の生地を作るためにも。
※この記事は、最善の生地を”選ぶ”|denim bridge からの転載です。
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